そう…。
カイチくんは結構モテる人だった。
花形ポジションではなくてもバレー部のレギュラーで生徒会副会長。
明るい性格に爽やかで『カッコいい』に分類されるであろう容姿。
カイチくんに告白した女子だって何人もいたはずだ。
だけど、カイチくん本人の想いは私に向いていた…んだよね。
さっきの告白で確信になったけど、正直その前から気付いてた。
何となく…って程度ではあったけど、カイチくんからの好意は感じてた。
それでも気付かないふりを続けた。
それもこの卒業という大イベントの前では逃げ切れなかったけど。
私って、本当にイヤな奴だ。
そんな私が貰っていいのか?
この神聖なボタンを。

