シンタくんの作ってくれたカクテルは、無事に4.5インチの液晶画面に収まった。
うまい具合にカウンター部分にだけ点いていたダウンライトの灯りもカクテルに反射して、大満足のいい写真を残すことができた。
「では、いただきます」
今度は舌に味の記憶を残したいと思いながら、慎重にグラスを口に運ぶ。
「どう?」
「……甘くない…」
いつぞやと同じやり取りに顔を見合わせて笑った。
同じタイミングで笑い合えたことが嬉しくて、顔がくしゃくしゃになるような笑顔になってしまう。
……と、そこでシンタくんが、止まった。
動きも。
視線も。
ピタリと止まって、私から目を離さない。
あれ……?
どうしたの……?

