「それにさ、今まで散々千波の初恋バナ聞いてきたじゃない?
そこに甘さなんてあったっけ?
なんか酸味と苦味しか記憶になくてさ、とても羨ましいと思える代物じゃなかった気が……あ、ごめん」
グサッ!!
完璧に傷ついた。
もう、完膚なきまでにコテンパンにやられた気分。
パタリとまた机に突っ伏してしまった私の頭を雪が「ごめんてば」と言いながら撫でてくれる。
全くその通りすぎて、反論の余地1㎜もありません。
「……今のところ、だもん…」
辛うじて呻くように反論した。
もう、ありったけの意地だけで。
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