並べられた瓶の中身をきっちりと計りながら次々とシェイカーの中へ。
その流れるような動きに見いってしまう。
「やっぱりシンタくんにおねだりするならこれしかないよね」
「そんな人の取り柄がこれしかないみたいに言わないでよ」
「いや、そこまでは言ってないけど」
シンタくんは私に向かってくしゃりと笑ってみせると、初めはゆっくりと、そして段々とそのスピードを上げながらシェイカーを振る。
伏せ目がちの視線。
キュッと結ばれた唇。
やっぱりカッコいい……。
その仕草の全てを目に焼き付けたい。
一生記憶に残しておきたい。
「はい、どーぞ。
バースデープレゼント」
華奢なカクテルグラスに最後の1滴まで丁寧に注いで、ゴールドのピンに刺さったイチゴを添えて。
入学式の時に作って貰ったのと同じカクテルが私の前に差し出された。

