「さてと……。 それでは始めますか」 手早く洗い物を終えたシンタくんが私の正面に立つ。 「お願いします」 背筋をピンと伸ばして、私はシンタくんに頭を下げた。 「本当にこんなんでいいの? 千波ってもっと欲張りじゃなかったっけ?」 「そんな人をおねだりモンスターみたいに言わないでよ…」 「いや、そこまでは言ってないけど」 シンタくんが肩を震わせながら、 冷蔵庫や後ろの酒棚からいくつかの瓶を私の前に並べる。