シンタくんは言葉を切ってテーブルに頬杖をつきながら窓の外を眺める。
その横顔はとてもカッコ良かったけど、ちょっと迷っているように見えた。
「ーーー嬉しかった、よ。」
視線は窓に向けられたまま発せられた言葉に息をのむ。
「千波が何を考えてあんな背伸びしてみせたのか。
完璧ではないけど、俺も何となくは分かってるから。
だから……うん。嬉しかった…かな?
たとえ罰ゲームなみに似合ってなかったとしてもね」
最後だけ茶化すように言って、私に向かって舌を出してみせるシンタくん。
「ば、罰ゲーム!?
ひどっ。昨日から言われた言葉の中で一番ひどい!!」
シンタくんに向かって拳を振り上げながら、
私はこの嬉しさを
この言葉への感謝を
どう表現したらいいのか分からなかった。

