ボンッと瞬時に顔が赤くなったのが分かる。
シンタくんにはさりげない仕草であっても、私には完全キャパオーバーな事態であることが分かっているのだろうか?
でも、その前に。
そのことは流して欲しかった…。
メイクの話はもうしたくない。
昨日2人の男性(走太さんと兄)にケチョンケチョンに貶されて私は十分ヘコんだし、反省もしましたから。
「まぁ……そうね」
唇を尖らせて俯いた私から手を離すとシンタくんはクスリと笑った。
「兄貴に何か言われた?」
「お兄ちゃんだけじゃなくて走太さんにも言われた。
化け猫だの仮装だの…」
開き直って自虐的になった私をシンタくんがまた笑う。
そういえばシンタくんは私といると笑ってばかりだ。
もう、好きなだけ笑って下さい……。
「走太くんは思ったことストレートに何でも言うからね。
俺はあのはっきりした物言いが好きだけど。
清海はね……。
絶対いい顔しないと思った。
だって、あいつは大人ぶるのと大人になることを履き違えるやつが一番嫌いだもんな」
あれ……?
それって……おいおい。

