生ハムのサラダ。
じゃがいもの冷製スープ。
あさりのボンゴレパスタ。
トマトとチーズのミニハンバーグ。
どれも美しい盛り付けで、量もこの間みたいにてんこ盛りなんてことはなく上品に。
全ての料理を並べ終えたシンタくんが最後にグラスにジンジャーエールを静かに注いだ。
「本当は料理を順番に出すべきだし、飲み物だってワインがいいんだけどね。
2人だけだし主賓は未成年だし。
俺が料理を出すのに立ったり座ったりするよりはこの方がいいだろ?
ワインは来年までお預けってことで」
1つ息をついて私の正面に座ったシンタくんが自分のグラスを持ち上げてゆっくりと言った。
「誕生日おめでとう。千波」
呆然としながらもつられるように持ち上げていたグラスにシンタくんのそれが合わさってチリン…と涼やかな音をたてた。

