「今日のウメちゃんはやけに食いつくね。
うーん。俺の場合は本当に妹って感覚が強いから。
初めて千波に会った時、あいつまだ中学生だったんだ。
俺さ、一人っ子でずっと妹が欲しくて仕方なくて。
千波は俺がイメージしてた妹そのものでさ。
すげぇ可愛かった。
もう、俺の理想がそのまま実写化された感じ?
あの時の強烈なインパクトを超える何かがないと、千波は妹って枠をはみ出さない気がする」
それは、とてつもなく衝撃的な発言で。
漫画とかだったら私の上には
『ガーン!!』
っていう岩みたいに大きな文字がのし掛かっていると思う。
始めからずっと、
全く変わることなく、
シンタくんの中で、
私は、
『妹』
なんだ……。
それはこれからも絶対に変わらない。
そう言われている気がした。
6年前、初対面の時の私ってどんなだったの?
あの時の私以上にならないと、私は『妹』の呪縛から逃れられない。
でも、私はあの頃の自分を思い出せないし、戻れない……。

