どんな流れでそうなったのか分からないけど、2人が話しているのは間違いなく私のことだった。
私はキッチンの入り口に佇んだまま会話の続きを待った。
シンタくんも踊子さんも私に背を向けているので私がすぐそばにいることに気付かない。
ソファーがキッチンに背中を向ける形で置かれていたので、ふざけあっている兄と走太さんも私が立ち止まっていることに気付かなかった。
「何でそう思うんですか?」
踊子さんがシンタくんに向かって首を傾げる。
私も知りたい。
シンタくんの答え。
何で私たちはずっとこのまんまなの?
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