「そーだな……」
私の顔をまじまじと眺めて少し考える様子をみせてから
「千波だから…かな?」
「何それ?」
瞬時に顔が赤くなる。
「千波は大丈夫だよ。
何だかんだ言っても一番しっかりしてる。
清海よりも……俺よりも。
俺たちが何とかやってきたことは千波でもちゃんと出来るよ」
「…………根拠うす……」
可愛くない憎まれ口も呟きにしかならなかった。
嬉しすぎて。
そんな風に見てもらえていたこと。
そんな風に見ていてくれたこと。
素直に嬉しいと思えた。
「そーね。根拠なんてないけどな。
あ、大学の方は連休明けに学校行ったらすっかり体が馴染んでるから心配ないよ。
これは経験から裏打ちされたアドバイス。俺の場合は…だけど」
再び作業に戻るシンタくんに
「ありがと…」
これも小さな声でしか言えなかったけど、私の心は格段に軽くなっていた。

