「何かお疲れ気味ですね。遊びすぎですか?」
作業の手を休めずシンタくんが言った。
「し、失礼な。そんなに遊んでないもん。
……昨日は友達と買い物行ったけど。
初めて行っちゃったよ。下北」
「へえ。友達出来たんだ。
楽しんでんじゃん、キャンパスライフ」
「おかげさまで。
でも、慣れないことばかりでさ。
何をするにも緊張しちゃうというか……
これでいいのかなって考えてばっかだから疲れちゃうんだ」
私の弱音にシンタくんが小さく笑う。
「変なところで真面目だからな、千波は。
気楽にやっても大丈夫よ?
案外何をやってもうまく回るから」
「そうなの?シンタくんやお兄ちゃんもはじめのうちは悩んだりしたの?
それって経験からくる助言?」
私の必死さにずっと私の足元でお皿の梱包を解いていたシンタくんが手を止めて私を見上げた。

