「先生、ばいばい」 「気をつけろよ」 あたしは挨拶をすると塾をあとにした。 うぅ・・ さむっ・・ 着ているコートのポケットに手を入れ、マフラーに口元をうずめる。 1月の下旬になり、寒さも本格的になった。 でも塾に行くのに抵抗がないのは家から歩いて10分の場所にあることと、小湊先生がいるから。