「俺もさ、好きな子いるんだよね」 「………」 先輩は、急に自分のことを話し始めた。 「その子にはさ、好きな人がいるんだ。 同じ部活の子なんだけどさ。 いつもみんなに気配りができて、さりげないフォローしてくれて。 そんなことも含めて男子に人気なんだけど、無自覚で。 誰のことか、わかる?」 私は首をふった。