放課後、恵介が俺を迎えに来た。


試験発表中だから、サッカー部の練習はないらしい。


俺と恵介は病院へ行くため、学校前のバス停からバスに乗った。


俺はこの町で一番大きな総合病院に入院している。


「ここよ」


505号室。


ここが俺の寝ている病室。


ゆっくりと扉を開けると、恵介と二人で中に入った。


今日も眠ったままの俺。


その俺に恵介が近づいて行った。


「海司…」


恵介は、ベッドのすぐ横にある椅子に腰を下ろした。


「今にも目を覚ましそうなのに…」


俺の身体の機能は正常で、どこも異常はないらしい。


だけど、依然として目を覚まさない。


原因は不明だ。


俺の魂が花音に入ったという事は、俺の身体には花音の魂が入っているということなのだろうか。


「なんか、つらいな…。

こんな海司の姿見てるのは」


恵介、ごめんな。


俺だって早く目を覚ましたいよ。