「おはよう、海司(かいじ)。目が覚めた?

いつもの用意してあるわよ」


風呂上がりの俺に母さんが差し出したのは、グレープフルーツを絞ったジュース。


俺の朝は、これがないと始まらない。


「海司。アンタってさー、どっかの女優とかモデルみたいよね。

そんなもの朝から飲む男子高校生って、アンタぐらいなモンじゃない?」


コイツは俺の姉貴の美空(みく)。


近くの女子大に通っている。


近所では美人と評判らしいが、俺から見るとガサツで性格が悪くて、とても女とは思えない。


コイツを見て育ったおかげで、俺は女という生態は信用出来ないと学んだ気がする。


メイクでいくらでも化けられるし、男の前じゃガサツな本性を隠してしまう。


清潔そうに見えて実は不潔だったりするし、本当に女らしい女って世の中にはいないんじゃないかと思う。


「海司、はい。スープが出来たわよ」