「お茶、用意しに行くか」


そう言って歩き始める海司。


私は、その後ろを付いて歩いた。


スラッと背の高い海司。


身体のシルエットが綺麗で、思わず見とれてしまった。


ついこの間まで、あの身体で過ごしていたのが嘘みたい。


誰よりも身近で、海司の全てを知っているつもりだったのに。


それなのに、どうして気づかなかったんだろう。


海司は、優しいんだ。


私がケガをしそうになると、いつだって身を挺して守ってくれていた。


真剣にメイクをしてくれたのも。


初詣で会った時、すぐに姿を消したのだって。


私の為を思ってしてくれたことだったんだ……。


唯は、その海司の優しさに気付いたんだね。


そっか。


さすがは私の親友。


ちゃんと、海司の本当の良さを見抜いたんだね……。