…は?
自分の耳を疑った。
なんで、なんでだよ。
お前、あんなに萌のこと、好きだっただろ。
「…そっか。伝えられただけでも充分だよ!ありがとね」
萌は涙をポロポロ流しながら、洸耶に笑顔を向けていた。
萌がこっちに向かってくるのが見え、俺はとっさに近くの空き教室に隠れる。
萌は涙を拭いながら走り去っていった。
俺の頭の中で、何かが切れた。
俺は屋上のドアをあけて、屋上の中に入る。
洸耶は俺に気付いて、少し笑いながら片手をあげた。
でも、俺はそれどころじゃなかった。
俺は洸耶の胸ぐらを掴んで、フェンスに叩きつけた。
「なんで、萌を傷つけた?なんで、お前の想い伝えないんだよ!」
洸耶は大きく目を見開いた。
だけど、すぐに冷静を保つ。
「聞いてたんだ」
「お前がどんだけ萌のこと好きだったか、俺知ってんだよ!それなのに、なんで…」
「じゃあ、なんで流矢も萌のことでそんな感情的になってるんだよ」
洸耶に言われて、ハッとした。
俺は、洸耶に萌のこと好きなのも言ってなければ、告白したことも言っていない。
これじゃあ、俺が萌のこと好きみたいじゃねぇかよ。
俺が黙り込むと、洸耶は力なく笑った。
「実はさ。流矢が萌に告白してんの、俺見ちゃったんだよ」
…マジかよ。
あの時、洸耶に見られてたってこと?
「その時に、初めて知ったよ。流矢も、萌のこと好きなんだって。だから、萌をフった」
「は?なんでそれが関係あんの?」
「お前も萌のこと好きなのに、付き合えるわけねぇだろ!お前になんか、申し訳ないじゃん」
意味分かんねぇよ。
なんか、気遣われてるみたいだろ、それ。
俺は洸耶の胸ぐらを掴む手に、力を込めた。
