全国№1×1匹狼ちゃんの出会い

う……そだろ……?

最悪だぁぁぁぁ!!


なんで私が正樹が理事長の高校に行かないといけないの!?

あーもう!あのバカ野郎!



私は髪の毛をわしゃわしゃして、取り敢えず下に降りてみる事にした。



二階から一階に通じる階段を降りて洗面所に向かう。


鏡に映る自分は自分自身でも分かるくらい人形みたいな顔ってこと。

目は光を無くし何も写したくないと言った感じだ。

私は自分の目をそっと触ってみる。
黒く澄んだ青色。もう戻らないんだろうな。

こうなってしまったのは……


『お母さん、お父さん……!』

やめたやめた。

前髪をかきあげる。

はあ……

深いため息をついてリビングへ向かう。


テレビ、三人がけソファーと1人がけソファー、長机。


凄く殺風景の部屋。

そして、凄くシンプル。

でも、私はこういう部屋の方が自分自身に似合ってると思う。


そんな事を思いながら1点の部分に注目する。


ソファーの隣にある段ボール。


昨日あんなのあったっけ?

ゆっくりと段ボールに近付いていき、じーっと見てみる。


もしかして、メールで言ってた制服?かな。


段ボールを開けると制服と高校の教科書やノート。そして一通のメモ?らしきものがある。


なんだろこれ?


そう思い開いてみる。

凪沙へ
 ̄ ̄ ̄ ̄
この手紙を見ているって事は段ボールを開
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
けたんだね?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
じゃあ、行く気になってくれたか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ま、絶対来てもらうけどな笑
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お前が今日から通う学校は鈴蘭高校だ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


鈴蘭高校。
もしかしてあの?



鈴蘭高校は、ここら辺でも有名な不良高。
主に不良とか暴走族とかが通うんだけど、当たり前に一般人も一応いると聞いたことがある。でも、割合に表すと

10:1かな。

10が不良だとして1 が一般生徒だ。

そんぐらい不良が集まり易いから殆ど一般生徒は通わない。
そんな高校に私を通わせようっての?



たくっ、あんな雑魚達が集まるとこなんかめんどいだけじゃん。

はあっと深くため息を吐いて続きを読んでみる。

感ずいたと思うが、不良高だ。だからって
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そんな暴れるんじゃねーぞ?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
まあ、凪沙に限ってそれはねーか笑
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

おいおい、私だってストレスとか溜まったら暴れるよ?

まあ、もう見たとおり段ボールの中には
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
鈴蘭の制服があるそれを着てこい
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
後、まあ来たら分かると思うが教科書
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
あっても無くてもどっちでもいいから
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

はあ?なんじゃそりゃ。

私は寝たりサボったりで真面目に出たことないから別に教科書いらないんだよな。


最後に、"夜兎"って事は絶対バレない様に
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
気をつけろよ!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
じゃ、待ってるからな
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

"夜兎"この一言に私は一瞬氷の様に固まってしまう。

正樹がこの名前を出すなんてね……

この鈴蘭高校相当危険なんだ。


まあ、暴走族とかおっかない奴等ばっかだもんな……


汚い手使うやつとか一番厄介だ……


放心状態だった体もまあまあ動かせる様になり、制服を持って立ち上がる。


洗面所で着替えるか。

そう思い洗面所に向かう。




鈴蘭高校の制服は極々普通の制服だった……が。


一つおかしいのは、スカートが以上に短いと言うこと。

下着が見えるってほどじゃないけど、これは、短くないか?と思うくらいだ。


まあ、そこら辺のギャルとかだったらこれが普通なんだろう。てか、これ以上だろうな。


ピラっとスカートの裾を鏡に映る自分に見せびらかすように取ってみる。


はあ……呆れた。


全て着おえて、再び鏡に映る自分の格好を確認するように見てみる。


全然似合ってない顔とこの制服。

というよりか、私がブサイク過ぎたんだろうな。

小さい頃から今まで、親、友達、親戚からとても美少女と言われてきた。

自分自身なぜこんな顔が美少女に見えるのか今頃理解不明だ。


小さい頃はそう言われそりゃ嬉しかったけどさ……

今思えば自分の顔がとても憎く思う。

この顔のせいで友達も出来ない、意味のわからない噂を作られそこから人形みたいになったって言ってもおかしくない。

そして、その日から"可愛い"と"美人"は私の禁句となった。


ま、"私自身も"だけどね。

今は春。夏前後って言ってもいいかも。
もうあったかいしブレザーはいいよね。


教科書は、持ってかないけど流石に手ぶらはまずいか。


一応スクバを持っていくことにした。
スクバに、何となく本一冊と財布。
棒付き飴3本とウォークマン、イヤホン。

至って普通だろう。


携帯で時間を確認してからスカートのポケットに入れた。

十分に準備が出来た。

あーあ、やっぱめんどくさいなあ。


学校ってめんどくさいし、まあ必要以上に関わらなければいい話だけど。

凄く見られるし……



はぁ...


私は憂鬱なまま学校へ向かった。