短編小説集 片恋



それから二人と他愛もない話をする。




そのなかで彼らの名前や連絡先の交換もした。


まゆは名前を聞かれるまでボーっとしていたけど。






双子と話してるうちにわかったこと。


まず一つは電車に乗ってきてから声をかけてくれたのが大庭真尋君。




彼はフレンドリー。



私に助け舟を出してくれたのが大庭千尋君。
テニス部。


彼は割とクール。
でも、笑った時の顔はとっても可愛かった。
サッカー部。





二人の見分け方はリュックとか来ているニットの色らしい。



真尋さんはカラフルなリュック。
千尋さんはアイボリーのリュック。





あと、一人だけだったらあんまりわからなかったけれど、二人並んだら顔が全然違ってたってこともわかった。






まゆも降り、双子の降りる駅になり私一人になる。




すると、千尋君から連絡が届く。



『今日は真尋がごめんね(-_-;)』


そんな短い文章。


その短い文章の中にさりげなく顔文字が入っていることにクスリと笑った。