話し終えてから緊張がどっと押し寄せてくる。
「はぁぁぁぁ…。」
と双子に気付かれないように溜息を吐いた。
その後、双子が降りる駅で声をかけてくれた。
ただ「バイバイ」と笑って手を振ってくれただけだけど。
私は呆気にとられながらも、手を振りかえしたのだった。
――――――――――
数日後、朝の電車で双子の一方が同じ電車、そして向かえの席に座った。
彼が乗ってきたとき、目が合い、微笑まれる。
一瞬。本当に一瞬だけど、胸の鼓動が速くなった。
まもなくしてまゆが電車に乗ってくる。
いつもの会話。
でも、いつもと違って私の声は小さい。
聞かれてしまわないか、聞かれてたら恥ずかしい
なんて考えがぐるぐるぐるぐると頭の中を駆け巡る。
それからまゆとの会話は頭に入っていない。


