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「今日も疲れたね。」
なんて言いながら、帰りの電車に乗り込む。
すると、いつも帰りの電車では会うことがなかった彼が同車していた。
「ねぇまゆ、あれって…。」
そう友達の肩を叩いて彼の方を指さす。
「―っ!!」
友達も驚いたみたいで、目を見開いていた。
彼は、朝見せることのない笑顔で友達と思われる人と話していた。
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それからというもの、私と友達は帰り、なんとなく彼の姿を探したりしている。
見つけた時は、「あそこにいるよ。」とか報告しあって、喜びを感じたりもする。
我ながらに変だとも思ったりもするが、どうもやめられない。
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数日後、珍しく部活動が休日に入っており、電車に乗り込んだ。
帰りの疲れ切った状態で乗り込んだ電車。


