俺は焦っていた。

いつもならこんな馬鹿はしないのに。


「夕陽くん?何か探し物?」

「私たちも手伝おうか〜?」

いつも図書室に来る女子だ。
名前は…なんだっけ。

「いや、大丈夫。ありがとう。」

笑顔をつくるのにはもう慣れた。
笑えなくなったあの日から
もう五年も経ったのだから。