テニスで、優勝したあいつ。






試合が終わって、トロフィーをもらった後、






友達と篠田にお祝いされていた。






篠田といるのが気にくわなくて、ずっと見ていた。







そしたら……バタッ






「稀子!?」




「稀子ちゃん!?」






あいつよりも、篠田よりも先に――――






走って、稀子をお姫様だっこした。






「か、香月!?」






篠田が困惑している。





女子の悲鳴も聞こえる。





あいつの親友が何か言っている。








そんなの、どうでもいい。





早く、保健室に連れていく…