「おはよう」


「あ、おはよう…」


なんだか利紗に元気がない。


「どうかした?」


「え?」


私の問いかけに、利紗はおかしいんじゃないかと言わんばかりの顔を私に向ける。


「昨日の今日で…柚奈みたいに切り替えれない……」


そう言って利紗は小走りで私からだんだん離れていった。


私、昨日利紗になにかしたのかな…


モヤモヤとする気持ちを抱えながら、一人で登校する。
いつもなら利紗と笑いあいながらなのに…


一人だけで歩く通学路は、足が重い。


それも、どうして利紗が先に行ってしまったのか、どうしてあんなことを言っていたのか、私が何かしたのか、それらの思いが私にそう感じさせているのだろう。