「お兄ちゃんから遊んでくれるの?」


女の子はいつの間にか開いた扉の横にはいなくて、代わりに足型の穴があいていた。


「うぎっ!」


初めて聞いたような、おかしな声が上がった。


「な、なに…?」


確認しようと後ろを振り返るより先に”少女“の顔が目の前に迫っていた。
その顔は、さっきまでの可愛らしい女の子の顔じゃない。


歯は牙に変わり、大きく開いた目は充血してあの不気味なピエロを連想させた。


“少女”の後ろには、金髪の頭だけが見え、それを最後に何も見えなくなった。