この声が君に届くなら …



「…だいぶ落ち着いたか?」


あたしは、黙って頷く。

今、街から帰って来た。
でも、家にはいたくない。孤独に、なるから。


「なぁ、裕人。あたし…今日は、独りになりたくない…
裕人しか、頼れる人がおらんけん。」



「大丈夫。俺いっつもおるって。
まぁどうしても家が嫌なら、うちに泊まってけばいいよ。」



「うん。」



ここで、頭にある疑問が浮かんだ。



「な、裕人。いっこ聞いていい?」



「ん?なん?」



「何であんなタイミングよくあたしのとこ来てくれたん?
裕人のお陰で助かったけど…偶然なん?」



裕人が、驚いて目を見開く。

やっぱ、偶然じゃないっちことなんかな?



「いや、まぁ偶然…って言ったら、嘘になるんか…な?」



「え、どっちなん?」



「いや…実はさ、梨花子が夜中に家抜け出すようになってから、
心配でたま〜に、俺も夜中に街歩いたりしとったんや。」




「…え!全然気付かんかった。何で教えてくれんかったん?」



初耳なんやけど。



「だってなんか、ストーカーみたいやし。んでしばらくやめとったんやけど、
やっぱ危ないけん、家に連れ戻そうとしたら…」



「今日偶然、あたしがああいう状況になっとった。
っちこと?」



「そうゆうこと。」



「そっか。」



そこで、あたしは裕人に重要な事を言っとらんことに気付いた。



「…裕人。ほんとにありがとう。」




そしたら、裕人の顔が真っ赤になった。



「やめろよ。その…
面と向かって言われると、照れるけん。」



「あははは!裕人、かーわーいー(笑)」