「っ龍哉!!」


「龍哉さん!」


みんなが叫ぶ。


光汰が走るが、弾の方が速く、光汰を追い越す。


光汰は青ざめ、悔しそうな顔をして叫んだ。





「龍哉ーーーっ!!」





──バァァァン!


光汰が叫んだと同時に響く大きな音。


それは光汰の前を通り、男が撃った弾にぶつかり弾く。


「ちっ」


失敗した男はもう一度照準を合わせるが。


「遅い」


そう呟き、男の手を撃つ。


飛んでいった銃は玲也が拾ったから安心だ。


「てめぇ!龍哉を殺す気やったやろ?!」


「コタ!落ち着け!」


「やけどっ!!」


「お前の言いたいこともわかるが落ち着け。それよりも俺を助けてくれたやつの方が気になる」


龍哉の言葉に、今にも殴りかかりそうだった光汰も落ち着く。


きっと龍哉と同じで気になるんだろう。


それはもちろん玲也と麗も同じみたいだけど。


あの2人は俺が撃てることも、ましてや拳銃を持っていることも知らないんだろうな。


「出てこい!そこにいるのはわかってるんだ!」


さぁ、〝私〟の出番だ。