ガッシャーン!!


〝もう帰っていいか?〟


そう続けようとした俺の言葉を遮ったのは、何かが壊された音。


「なんや?」


「何かが…壊れた音ですよね」


みんなが不思議そうに思う中、龍哉だけは真剣な顔をしていた。


「総長!!轟が攻めてきました!!」


青ざめた顔で入ってきた面子。


轟が攻めてきたっ?!


動き出したとは聞いていたが、まさか昨日の今日で行動に移すなんて…。


予想外だっ。


「なんで轟が攻めてくるんや?」


「わからない。だけど、今は一刻を争う。俺たちも早く参戦するぞ」


「はい。…麗、いける?」


優しく問いかける玲也に麗は1つ頷く。


正直言って、麗には行かないでほしい。


だけど、俺は白龍の仲間じゃねぇから。


白龍のことに口を出せない。


ただ、2人の背中を見送ることしか出来ないのだ。


「…っあ、ゆー君は危ないからここから出たらあかんで?!」


「…わかった。気を付けて」


安心させるように微笑んだが、笑えていただろうか…?


みんなが行った後、俺は1人幹部室に残される。