…え?


「始まってるのか?」


「ええ、数分前ですが」


南沢のこの苦笑いからして嘘ではないだろう。


てか、あれ?


お父さんから教えてもらった時間にきたんだけど…。


「…組長わかってて間違った時間を?」


「へ?」


それってわざと…ってこと?


でもなんでだ?


「…柚瑠様、さっき門を飛び越えようとしました?」


「ん?ああ、その方が早いからな」


「それですよ」


…それ?


「もし誰かに見られたら、白龍にバレます。今回の仕事は白龍を守れということですから」


なるほど。


普通は飛び越えないからな。


飛び越えた時点で何者となり、白龍に存在がバレる。


それだけは勘弁だからな。


うん、お父さんの判断は正しかったようだ。


これで文句が言えなくなった。