「そう。私たちが卒業したら次の新しい総長が黒狼を引っ張っていく。樹は新しい総長の盾となってあげて」


「新しい総長…。盾…」


「もちろん、盾といったけど自分のこともちゃんと守ること」


伝えたいことはちゃんと口で伝えないと、わかることもわからなくなるから。


失敗してほしくないから。


ちゃんとした道を進んでほしいから。


「私が言ってることは難しいことだってわかってる。だけど樹なら出来ると信じてる。…どう?いける?」


思ってることは全部伝えた。


だけどそれはちゃんと伝わっただろうか?


じっと樹を見つめる。


樹はぎゅっと手を握ると、勢いよく顔を上げた。


…ああ、もう大丈夫だね。


樹の顔からは後悔や不安が抜け、どこか決意した顔をしていた。


「ふふっ。そっちの方がかっこいいよ?」


「えっ///」


ん?真っ赤になった?


かっこいいの次は茹でタコって。


どんだけ忙しいのよ。