「龍哉ー!桃姫だって女の子やねんでー!怪我させたらアカンやろ!」


「龍哉さん、さすがにそれはダメですよ」


玲也の言葉に、賛成するように頷く麗。


うわっ…麗の目が怒りに満ちてますよ。


大人しい麗が怒るなんて珍しい。


というか、怒りを表情に出すこと自体が珍しいよ。


それだけ龍哉たちを信頼してるんだね。


「うるせぇっ!桃姫が俺如きの力でヤれるわけねぇだろ!」


「えっ?」


おお、よくわかってんじゃん。


避けられた拳を避けなかったのは、龍哉の拳の威力を知りたかったから。


怪我なんてケンカをしていたら絶えないものだし。


今さら怪我が増えたくらいで文句は言わない。


…けど、女の顔に傷をつけた罰はしっかりと受けてもらうよ。


まぁ、それはもう少し様子を見てからにしますか。