『今日、俺んち寄ってけ。』 バイクの鍵を回しながら話しかけてきた。 「いいけど、王牙はいいの?」 最近、王牙にあまり行っていないんじゃないかって不安になる。 幹部は毎日行くものじゃないの? そんな頭の中の固定概念から…。 遼が私をバイクに載せてくれるのが日常。 その時私が彼の腰に手を回すのも日常。 制限速度を守るのも日常。 何もかもが普通なはずだった。