つよがり


できるだけ音を立てずに葵に近づいた



「葵、いい加減にして。

血が繋がってるからなんなの?

反省してるからなに?

謝ってるからなに?


許せとでも言うつもり?」



「っ!」



許して貰えると思ったの?





「バカじゃねぇの?

ふざけんじゃねぇよっ!!」




怒りで気が狂いそうだった




「てめぇは忘れたのか!?

自分達が何をしたのかっ!!


それを知ってて許せ?


ふざけんなっ!」


「俺達、は」




葵の震える声に僕のイライラが積もる





「お前らのせいで"私"は全てを失った!」



家族 友達 心 そして"私"という女の人格




「なのにっ、お前らは今も普通にヘラヘラと笑って生きてる!」



どうしても許せなかった


どうして僕なのって


ずっと、ずっとそれだけを思って生きてきて