言われた通りビニール袋を渡す。それにタイツを入れて、祈璃は階段の前で止まった。

「ナッコちゃんは?」

「会社に泊まるって。部屋行ってて」

「はーい」

笑ってる顔を見せて、上がっていく。

消毒液と絆創膏だけ持って、俺も上がる。ベッドの上で脚をなげている祈璃。

「デートにしては帰りが早くない?」

隣に座って頬を見る。爪痕のようにも思えた。
消毒液をつけると痛がって、それは無視して絆創膏を貼った。

「三芳くんね、浮気してた」

「マジで?」

「あたしに浮気してたの。恋人の女の子が教えてくれて、ビンタまでしてきて。あたしは水ぶっかけてやったんだけど」