少ない人々の視線がこちらに向いていた。

「……もしかしてあたしにずっとラブレター送ってくれてたのってアナタ?」

「泥棒猫には甘かったかもね」

「泥棒…?」

このひと、頭イっちゃってる人か。
ヒリヒリと痛む頬を押さえる。

「三芳くんのこと、好きなの?」

尋ねてみると、酷く馬鹿にしたように首を傾げる。
確かにアキはそう言っていたけど、全てを鵜呑みには出来ない。

だって、あたしと三芳くんが付き合う前にラブレターは送られてきていた。

「好き? もしかして、本当に気付いてないの?」

「なに?」

「私が恋人。いのりちゃんが浮気相手」