アキがそこまで心配する意味がよくわからなかった。剃刀は確かに危ないけれど、画鋲と何が変わらないのかがわからない。

ぷかり、と浮かぶ嫌な考え。

「それってつまり……うちの学校の生徒じゃないってこと?」

「しかも、多分祈璃とシフトが被ってる奴じゃない。祈璃の前日にシフトが入ってる奴だよ、多分」

「そのこころは?」

「剃刀は切れるモノ、祈璃と彼氏の縁を切るモノ。そいつは祈璃とそいつの仲がまだ続いていることを知っていて、でも疑われたくない」

スラスラと出てくるアキの言葉に、頭の中でバイトの顔を思い出せるだけ思い出す。