こちらを向いた視線が絡み合う。

「俺の一番」

「アキの一番なんてすぐに分かるよ、あたしでしょう?」

得意げに言ってみた。言っておくけれどこれは冗談のつもり。

あたしは自分のことが好きだけど、馬鹿じゃない。人を見る目も…なくもなくもなくもない。

だからアキが「本に決まってんじゃん」とツッコんでくれるのを待ってた。

先生が教室に入ってくる。

「うん、当たり」

楽しそうに笑って言った。
あたしが「本当?」と問かければ、「本当本当」となおざりに返ってくる。

それがムカついたけどちょっと嬉しくて、

「アキ大好き」

と返した。





end.
20141226