アキが二つ折りの携帯で検索する。それを渡されて、時間を確認する。
「ちょうどある。アクションが三時からで、アキのが五時から」
「あくまでアクション優先なんだね」
「アキも観たら絶対に虜になるよ」
検索したページを閉じると、待ち受け画面になった。
「こ、これは?」
あたしの寝顔に変わっている。前見たとき、と言っても結構前だけれど、そのときは漫画のキャラクターだったのに。
「あー三次元に恋出来た記念?」
「てゆーか、いつの?」
「眠ってるとき」
「だから、いつ眠って……」
「祈璃が疲れて眠ってるとき」
するり、と携帯を取り上げられて、上に手を伸ばす。
狙ったように口づけを落とされた。
これは、可愛くて正直で利己主義な君の話。
end.
20151005



