服の中に冷たい手が入ってきて、肩が少し揺れた。
下着を着けていない背中を弄る。

「風邪、うつるかも……」

「移して。俺、祈璃になら殺されても良いよ」

漫画の読み過ぎでしょ、と言おうと思ったら再度唇が重なる。

横腹あたりを撫でられて鼻から抜けるような声が出た。

あれ、頭がぐるぐるしてきた。

ずるり、とアキの肩に頭が乗っかる。あたしを呼ぶ声が遠くなる。

その頭で、馬鹿は風邪ひかないっていうもんなあ、なんて全然関係のないことを考えていた。



end.
20151004