自分に言い訳してる方が恥ずかしいか。

「美味しー、ありがたやー」

「ナツに、祈璃が餓死したらどうすんだって言われた」

「ナッコちゃんてお姉ちゃんっぽいこと言うんだね……って、お姉ちゃんだから当たり前か」

食べながら祈璃が話す。
祈璃は一人っ子で、前に幼い頃の話を聞いたら、ハムスターを飼いたかったらしい。

「あ、そういえば言ってなかった」

回転椅子のキャスターを転がして、ベッドの上で丼を持つ祈璃に近づく。

きょとんとした顔で咀嚼している。

「好きです、付き合ってください」

手を出す。ごくんと嚥下した祈璃が、ゆっくりとその手を掴んだ。


end.
20150929