邪気の無い笑顔。
悪意、としか思えない。
俺と同類だったりして。
「私、アキくんのこと好き」
「……は?」
「祈璃ちゃんと付き合ってないんでしょう? 私と付き合わない?」
「付き合わない」
早く祈璃のところに戻らないと。
「どうして?」
こんな茶番をしている暇はない。
「俺は藤沢さんのことをよく知らないし知ったようなことを言うつもりもないけどさ」
浴衣を着たカップルが横を通り抜けて行く。
祈璃が一人のときにナンパされたら絶対に付いていく。
「ちゃんとした恋した方が良いよ」
何様のつもりだと言われても仕方ない。



