少し進むと、綿あめの屋台があった。
結構列が出来ていて、その殆どが子供だった。最後尾に高三がいるのは目立つ。
「声かけて来いよ」
「やめろバカ」
そんな声が聞こえて屋台と屋台の間のスペースで男子中学生たちが焼き鳥を頬張っているのが見える。
何人かいる内の二人の視線がこちらに向いていた。
「うわ、隣にいる地味なの彼氏じゃね?」
こそこそとこちらに背を向けて話し始める。明らかに祈璃の方を見ていた。
地味……。いや、慣れたけど。
「綿あめ何個買おうかなー。手が二本しかないのが惜しいよね」
「虫に生まれたかったみたいな発言やめて」



