前に意図的に堂本さんが祈璃の誘いを断ったとき、祈璃が腹を立てた為と思われる。

金魚すくいのポイを貰って、祈璃と藤沢さんの間に挟まれて座る。

傍から見れば両手の花な状態でも、俺にとっては両手に爆弾って感じです。
寧ろ、引き取ってください。混ぜたら危険ってやつ。

「あ」

すぐに破けてそれをくるくる回していると、隣の祈璃が「アキはこういうのはダメなの?」と不思議そうな顔で言った。

「掬うのはね。救出ゲームなら得意だけどね」

「金魚もバケツの中から助けを求めてるよ」

「金魚の声は聞こえなかった」

反対の隣にいた藤沢さんがクスクスと笑う。