キャンプファイヤーの火が、電気部のロボットによって点火された。

周りから拍手が湧く。火の粉が散っているのが見えて、夜風が吹いた。

空を仰ぐと星が見える。

「祈璃」

呼ばれてそちらを向くと、テントの近くに立つアキが居た。藤沢さんの手を引いて近付く。

「暑い中、キャンプファイヤーするのも変だよね」

「ここの文化祭、前は秋にあったらしいから」

「でも、綺麗だね」

ぱちぱちと燃え上がる火の周りで、ダンスが始まる。男女が組んで踊っていく。

藤沢さんの横顔を盗み見ると、同じように炎を見ていた。