「嘘はばれるじゃん。今日みたいに」 「初めてばれた。しかも殴ってくるんだもん、びっくりしちゃった」 仕方ないわね、みたいに肩を竦めるけれど悪いのは藤沢さんだと思う。 リボンをつけて、ロッカーの鏡を見た。 そして、気付く。 藤沢さんの肩を掴んで、こちらに向かせた。昼間の人が殴った痕が、薄暗い中でも分かるくらい腫れていた。 さっき、教室に来た時マスクをしていたのは鼻血が止まらなかったからじゃない。 そして、ロッカーに話しかけていたわけではなく、鏡に、自分に話しかけていた。