これじゃ、あたしの可愛さに気付くはずもないか……。
後ろでアキが笑いを堪えているのが分かった。また面白いことを思い出しているらしい。
藤沢さんのことは、藤沢さんに聞いて。
そう言う前に、教室の空気が変わる。
多数の視線が扉の方を向いていた。
「片付け始めないと、後夜祭に参加出来なくなっちゃうよ?」
マスクをした藤沢さんがいた。
「藤沢さん、大丈夫なの!?」
「大丈夫。鼻血止まらないからマスク借りてきたー」
藤沢さんの一言でクラスメートが動き出す。
人徳あるなあ。もう神様にでもなった方が良いんじゃないの。