てゆーか、アケビって隣駅にあるバカな女子高の名前。
「答えろよ!!」
がたん、と机が動く。
肌と肌がぶつかる音。
大学生の後ろに並んでいた女子の誰かが小さく悲鳴を上げた。
「今頃気付いたの?」
床から顔を離した藤沢さんは低く声を出す。あたしの身体は固まっていたみたいで、そこでやっと動いた。
「本当に馬鹿はお得ですね」
藤沢さんを庇うようにその背中を擦る。
事情が何にしろ、男が女に暴力を振るうのは最低だ。
「てめえ……」
「止めてください」
腕を掴んで立たせる。藤沢さんは顔を押さえていて、床には赤い血がついていた。



