「これ、午前で余った分だから先に売ってね。お金は誤差でないように気を付けて」
あたしと藤沢さんはパックに入ったものを売ってお金を受け取る係で、午前の人から引き継ぎを終えた。
午後の部が始まる。
横で焼きそばを焼いているので、煙たい。呼び込みをする人たちが廊下で大きな声を出している。
「堂本さん一番乗り! 二つで800円になりまーす」
「願ってたことじゃないけどね、ありがとう」
二つも食べるなんてやっぱり成長期なのかもしれない。思ったけれど、出口近くにいつか食堂で見たバスケ部の女子がいた。
堂本さんの友達らしい。その背中を見送って、金庫にお金を入れた。