食堂の扉が開いて、外の騒がしさが時折聞こえる。待ち合わせ場所にアキが来る前に、濱さんが看板を持って回っていた。

文化祭係である濱さんは一日目は出ずっぱりらしい。それは藤沢さんに聞いた。

気付いていたけれど、濱さんはあたしと積極的に関わろうとはしてない。あたしだってそんな急にクラスに馴染めるとは思っていない。

こちらに気付かないのか、将又ふりをしていたのかは分からないけれど、濱さんは違う方向を見ていた。

その視線を辿ると、午前中に見た制服姿の二人。

違う高校の制服を着た女子たちに話しかけている。今回は成功したのか、女子たちも笑っていた。